火鬼子(2)


クスクスクス…。

クスクスクス…。

………笑い声。

日本のインターネット利用人口は2002年2月の時点で、重複を除き4600万人を超えると推定されている。また、用途は電子メール、趣味のための情報収集が主体であり、利用コミニケーションは、掲示板が22.6%、無回答が50%を超えている…。(インプレス発行・「インターネット白書2002」より)

多くは、傍観者、ないしは観察者である。

そして、観察者なくして、存在は無い。
観察者が、存在を認知する。

地球上を跋扈した生物種の中で、われわれが最も残酷で無慈悲だという気の重い事実がある。新聞や歴史書で、人が人に対して犯した残虐行為を知ると、恐怖でたじろぐかもしれない。しかし、殺人や拷問、戦争を導いているものと同じ野生的衝動が自分の中では意識しているのだ。

−−−−−−アンソニー・ストー

きっかけはたいていささいなことだったりする。

侮辱されたり、侮辱されたと感じた時、同程度に報復するのは、人間としてはごく普通の反応だといえるだろう。だがしかし、それが、自分の素性をある程度隠蔽できる状況下であったらどうだろう。

皮肉にも、一度顕現した怒りは、カタルシス的に発散されることなく、いっそうその攻撃性を強める。

そうなれば、あとは不毛なやりとりが、荒野のごとく横たわる。


叱責であったはずの議論は、いつしか人格攻撃にすりかわり、敵意と敵意は増していくばかり…。

クスクスクスクス…。

クスクスクスクス…。

誰かが、どこかで、それを見て笑う。

参加者以上の傍観者。

そこに存在するのは…。

今日もどこかで繰り広げられるその争いを、フレーム(炎、怒り、激情)といった。


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